小豆島Episode3中盤戦

木曜日になって、脚の痛みがほとんど消えた。
昨日までは両太ももが痛いことになっていた。
さて、中盤の死闘をふりかえります。


※   ※   ※


周りの空気を読んで、しゃあなしに後半の坂路に突入した。
案の定、12km地点ぐらいから、左脚の付け根が痛い。
あと、靴ひもがきつすぎるような気がしてきた。
暑い。防止のツバの先まで汗びっしょり。


幾度となく「もう、ゼッケン外して引き返そう。」と思った。
だって、これ以上先に進んでも収容バスは待ってない。



しかし、丸山鼻ぐらいの地点で運命のライバルと遭遇した。
70歳ぐらいのおじいさんが後ろから追いついてきたのだ。


70歳さん 「ほっほっほ。がんばれー。もうすぐ監査係が来るよー。」


ルフィ 「ほんまですか。」


70歳さん 「ほっほっほ。私でビリから3番ぐらいやからー。
       今日の監査の人、まじめな若者でなー、
       『もっと端っこ走りなさい』とか怒られるよー(笑)。」


このおじいさんに負けてはいけない。
ここからおじいさんVS天才ランナーの
抜きつ抜かれつの大レースが始まる。


抜きつ抜かれつとは言ってみたものの、
おじいさんはイーブンペースで走っているだけ。
私の方が速くなったり遅くなったりしているだけ。


70歳さん 「私は今回で30回目の参加なんです。」


ルフィ 「30回ですかっ!」


70歳さん 「ほっほっほ。
       最近では、私の目標は3時間30分だから、
       今日もまあまあのペースで来てるんですよ。」


ルフィ 「…。」


おじいさんは計算通りのペースで走っているのだ。
すばらしい。すごい。かっこいい。感動。尊敬。
天才ランナーとして負けている場合ではない。


ルフィ 「お先に失礼しますっ!」


70歳さん 「ほっほっほ。」


そこで、痛みをこらえてペースアップ。
たちまちおじいさんは見えなくなる。


しかし、痛みが増して歩いていると、
いつの間にかおじいさんが追いつく。


おじいさんVS天才ランナー、
果てしない死闘が続く。