小豆島戦記 1st Down

壮絶なダウンを振り返る前に、ひとつ謎が解けた。



レース前の早朝に釣りまくったこの魚は、
通称『赤ベラ』、キューセンの雌と判明。
瀬戸内ものは美味で高級魚として扱われるそうだ。


しまった、全部キャッチ&リリースしてもうた。
来年は焼いて食うちゃる。


キューセンは、雌雄同体で知られるそうだ。
小さい頃は雌、色が赤く、赤ベラと呼ばれ、
大きくなると雄になり、緑に変色、青ベラと呼ばれるそうだ。


将太の寿司』では、たしかカレー粉をまぶして料理してたな。


※   ※   ※


ゴールまで残り1.05km。
残り制限時間25分。


ここで、きゅるきゅる警告を発し続けた両ふくらはぎのうち、
左ふくらはぎが激しくつった。


ルフィ 「うぐ〜。」


立っていられない痛みに、路上にダウン。
左ひざをまげ、両手は左脚つま先を内側に引き、ひざごと抱え込む。
体を曲げて、ひざと足首をぐーっとたたむ。


傍から見たら、「ああ、足がつったんだな。」ではなく、
意識が遠のいてうずくまっているように見えたはずだ。
暑い日だから、熱中症が出てもおかしくない。



関係者が集まってくる。


関係者A 「大丈夫ですかっ!?大丈夫ですかっ!?」


ルフィ 「大丈夫です。ううう。足がつっただけです。」


関係者B 「救急車、呼びますかっ!?」


ルフィ 「いえ。意識ははっきりしています。ううう。足は自分で治せます。」


私ほどの天才ランナーになると、こんなことで動揺はしない。
もっとひどい足のつりかたをして、路上に倒れた体験もあるのだ。
(そのときの様子 → http://d.hatena.ne.jp/peacepiece/20120116
ただ、あのときは練習中だった。
レース本番中に倒れたのは初めてのことだ。


ここに悲劇が重なる。


関係者A 「あちらの日陰で休みましょう。」


ルフィ 「いや、今は動けません。ううう。暑くはないです。大丈夫です。ううう。」



関係者B 「いや、日陰で休みましょう。運びます。」


ルフィ 「いや、やめて!動かさんで下さい!動かさんで下さい!」


身の危険を感じた私は、険しい表情で激しく抵抗したのだが…。



ルフィ 「うぎゃー、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」


強制的に日陰に連行される天才ランナー。



ルフィ 「うぐぐぐぐ。」


関係者A 「…。」


関係者B 「…。」


明らかに症状を悪化させ、うずくまる天才ランナー。
しれーっとその場から離れる関係者Aさん&Bさん。


日陰に運んでくれた関係者Aさん&Bさん、「ありがとう」も言えずに失礼しました。
でも、あの場面では、とにかく左足つま先のフックが外れたら、
ふくらはぎがひきちぎられそうに痛いのです。


その場で一人、体を丸め、左脚と左足首をたたみ、
左足つま先をフックし、ぎゅーっと押し続けた。
時間は刻々と過ぎる。


残り制限時間15分。
不屈の天才ランナーは、立ちあがった。
この痛みは、引くときはすーっと引く。


ルフィ 「よし。どうにか歩ける。あと1.05km、行ける。」


もうすでに昨年タイム更新は無理ではあるが、
制限時間内完走はゆっくり歩いても間に合う。


ところが、動き始めて400mぐらい、
ゴールまであと600mぐらいの地点で、
小豆島ラウンド2度目のダウンを喫する。


騒然とする全島民、緊迫する救護班。


続きは明日書こう。