小豆島戦記ダウンまでの快走
こうして完走証をいただいたのだから、
「完走した」と言って差し支えなかろう。
しかし、タイムをよく見ると、3時間02秒とある。
制限時間として発表された3時間をオーバーしているのだ。
3時間02秒ゴールの瞬間。(撮影ケロロ軍曹君)
ゴール650m前ぐらいでダウンしたときの様子。
このラウンド、2度目のダウン!(撮影ケロロ軍曹君)
今回のレースは過酷を極め、危うく救急車を呼ばれるとこだったのだ。
天才ランナーの私は、救護班の助けを拒否し、倒れても倒れても立ち上がった。
さが桜マラソン以来、1度だけ2kmジョギングしただけ。
体重はここ数年で最重量級、57km台で迎えた小豆島ラウンド。
こんな最悪のコンディションでも、中盤まではすこぶる好調であった。
迷った末、とった戦術は、
『平地はゆっくり走り、上りは歩き、下りは飛ばす。』
であった。
前半の10km地点で時計はちょうど1時間10分であったから、
一部歩いている箇所も含めての平均で7分/キロのペース。
上出来も上出来の走り出しだった。
後半はとにかくアップダウンの連続。
上りは歩き、100人ぐらいに抜かれ、
下りで飛ばし、100人ぐらいを抜き返す、
という走りを続けた。
ありがたかったことが3つあった。
ひとつは、昨年同様、水をたっぷり含んだスポンジの提供。
これは道中、7〜8カ所ぐらいあったかなあ、去年より増えていたような気がする。
ふたつめは、アミノバリューのドリンク。
去年は真水だけだったので、これは想定外の嬉しい配慮だった。
これで、レース中に自動販売機を利用する作戦は取らなくてよかった。
みっつめは、風。
おそらく気温は去年と同様、20℃台後半の暑さだったのだろうが、
去年より風がよく吹いていて、涼しさを感じた。
これらのありがたい条件もあり、『あと4km』の表示があった時点で、
「よし、残りを全部12分/キロで歩いても、去年のタイムを5分更新だ!」
という計算をしたので、17km地点まで7分/キロのペースが保てたことになる。
もっとも、「7分/キロ」とはいっても、全部の平均だ。
おそらく、歩いている上りは10分/キロで、飛ばしている下りは6分/キロで、
普通に走っている配置で6分30秒/キロぐらいだったのじゃないか。
痛みを感じ始めたのは、17km地点をちょっと越えたところだった。
屈伸運動をして、「さあ、あと4km、行くぞ!」と踏み出した瞬間、
左右同時に、太ももの内側の筋肉がビーンと張る感じで、痛みだした。
これにより、少しペースダウンを余儀なくされるが、
それでもゴールまでもちそうな感じではあった。
しかし、19kmを越えたぐらいから、
両ふくらはぎがおなじみの警告を発しだす。
両ふくらはぎ 「きゅるきゅる、つるよ。ぼくたち、もうすぐつるよ。きゅるきゅる。」
という、きゅるきゅるっていう警告だ。
両ふとももの内側がビーンと張りっぱなし、両ふくらはぎはきゅるきゅる言うてる状態で、
それでも自己ベスト更新は間違いないと思われた、最後の坂のてっぺん手前。
この時点で、ゴールまでおよそあとおよそ1.05km。(下りと平地のみ)
時刻は12:35分前後。
制限時間残り25分。
天才ランナーが、史上初の本番レース中でのダウンを喫するのであった。
騒然とする全島民、緊迫する救護班。
つづきは明日。