小豆島戦記 2nd Down

壮絶な小豆島決戦から三夜明け、体のダメージは大分引いた。
立ったり座ったりするときに「いてててて。」がなくなった。
明日からプールでリハビリしましょう。


※   ※   ※


1度目のダウンから、不屈の精神と鋼の体力で立ち上がった天才ランナー。
しかし、ゴールまであとおよそ600mの地点でセカンドインパクトが襲う。


そこには2時間10分台でゴールしていたケロロ軍曹君、リアル船長さんたち、
同行の3人が来てくれていて、応援の声をかけてくれた。



彼らの顔を見てほっとしたからではなかろうが、
今度は右のふくらはぎが激しくつって、
またしても路上に倒れた。


関係者C 「大丈夫ですかっ!?」


関係者D 「大丈夫ですかっ!?」


やばい、また来た、恐怖の使途・関係者さんたちだ。
よかれと思ってやってくださることではあるが、
また強制的に体を動かされたら命取りだ。


絶体絶命の大ピンチに、天才ランナーは咄嗟の機転を利かせる。



ルフィ 「はい(笑)!ちょっと足がつっただけです(笑)。意識ははっきりしています(笑)!」


関係者C 「本当に大丈夫ですか?」


ルフィ 「はい!(笑)ご心配ありがとう(笑)!!」


関係者C 「分かりました。」


笑顔&元気な声大作戦、成功だ!


さっきのように苦しい顔をして強く抵抗したらダメなのだ。
いくら「大丈夫です。」って主張しても、日陰に連行されるのだ。
だから今回は、激しい痛みを決して顔に出さず、笑顔で元気をアピールしたのだ。
この極限の状況下で、こんなスーパープレーができる俺は、まさに天才ランナーだ。


ケロロ 「ルフィさん、一人で大丈夫ですか。」


ルフィ 「うん。ゴールは間に合わんかもしれんが、これは治る。」


リアル 「よし!では、我々はゴール地点で待つ!」


仲間たちは、あえてゴールで待つことになった。
時計をにらみながら、右脚の痛みがひくのを待つ。


ゴールまで残りおよそ600m。
時刻は12時55分30秒。
制限時間残り4分30秒。


ルフィ 「もう時間的にギリギリだ。」


思い切って立ちあがった。
いける、なんとかなるぞ。
ゆっくりなら走れる。


ルフィ 「みんなが待っている。最後まで走るんだ。」


次もう1回つったらおしまいだ。
だからといって、安全運転していたら間に合わん。
イチバチで、動かせる範囲内の全速力で進み、
ヘロヘロ走っているランナーを何人か抜いた。


最後の直線に入り、ゴール間近、あと50mぐらいか。
突然、地元の子どもたちのカウントダウンが始まった。


子どもたち 「10!9!8!」


スパートをかける、私を含む4人のギリギリランナーたち。
たのむ、ふくらはぎたち、あと10秒もってくれ。
あとですぐ冷却してあげるから、もってくれ。


子どもたち 「7!6!5!」


私以外の3人、速い!
その差、一馬身から一馬身半。
こいつら、どこも痛くなのか?


子どもたち 「4!3!2!」


天才ランナー、まさかの猛追。
その差、一馬身半から一馬身。
差すか!?



子どもたち 「1!0!」


ルフィ 「ううううう。」


差し切れず、制限時間にギリギリ間に合にあわなかった天才ランナー。
あと1秒か、いや、2秒か…。



完全に沈黙する天才ランナー。



それでもいただけた完走証。
3時間00分制限のところ、
3時間00分02秒。
完走証、もらってええんですか?


こうして天才ランナーは疑惑の完走を果たした。
赤べらをたくさんつって、
両脚もつった一日だった。