天才ランナーが全国誌進出

鴨川店のフランキー店長に電話があった。
『壮快』という雑誌の編集長さんからだ。


編集長 「『愛媛マラソン完走までの道』というブログを読んで、作者のルフィ船長さんのお話を伺わせてほしいのですが…。」


という電話だったそうだ。


ついに、天才ランナーの俺に、全国のマスコミが目をつけたのだ。
『壮快』という雑誌のマラソンコーナーを監修してくれという依頼だろうか?
それとも、『愛媛マラソン完走までの道』を出版させてほしいという依頼だろうか?


フランキー店長 「分かりました。それでは、私の方からこの『ルフィ船長』という者に連絡してみます。」


編集長 「ありがとうございます。ちなみに、あなたが『フランキー店長』という方ですか?」


フランキー店長 「そうです。私がフランキー店長という者です。」


という、そうとうおバカな会話がなされたそうだ。


フランキー店長が私の連絡先を編集長さんに伝えてくれて、
編集長さんから私に電話があった。


編集長 「あなたが『ルフィ船長』さんですか?」


ルフィ 「そうだ!俺がルフィ船長さんだ!」


編集長 「実は、ブログを拝読させていただきまして、是非取材をさせていただきたいんです。」


ルフィ 「そうだろうな。俺は、マラソン王になる男だからな。」


編集長 「ええ、でも、実は取材させてほしいことは…。」


この後、衝撃の取材依頼内容が告げられる。



編集長 「ルフィ船長の、2010年7月21日の記事を拝読いたしまして…」


ルフィ 「おととしの7月か。なんの記事かなあ?」


編集長 「”カレーライスを食べ続けると、視力が回復する。これは私自身の体験だ。”とありますが、これについてくわしくお聞かせ願いたいのです。」


なんと、カレーで視力が回復した話に食いついてきたのだ。
ラソンじゃないのか。
ラソンの話がしたいぞ。
俺の走りに注目してくれよ。


編集長 「昔から、玉ねぎやニンジンには視力回復の効能があると知られています。」


ルフィ 「まじか!知らなかったぞ。」


編集長 「さらに最近、アメリカの学会で、ターメリックに含まれるクルクミンにも強い視力回復の効果があると発表されたのです。」


ルフィ 「玉ねぎ、ニンジン、ターメリック…。カレーだ!!」


編集長 「そうなんです。カレーに含まれるものには、視力回復効果があるものが多いんです。」


ルフィ 「俺はもう10年以上もそう主張し続けているのに!誰も信じないぞ!」


編集長 「私はルフィ船長を信じています。」


ルフィ 「ありがとう、ありがとう。」


編集長 「だから、どうかその話をくわしくお聞かせください。」


ルフィ 「いいぞ、くわしく聞かせてやる。聞いてくれ。」


くわしく聞かせた。


夏期の特別営業時間帯のとき、毎昼かまどやのカレーを食べることにした話。
すると、10日目ぐらいから目が疲れやすくなって、
コンタクトを外してみたら、裸眼でもよく見えていた話。
それ以来、ずーっとメガネもコンタクトもしなくてよくなった話。


結局、その年の春にコンタクトを新調したときは両目が0.2ぐらいだったのが、
夏中カレーを食べて、秋の会社の健康診断で計ったときには、右が1.0、左が1.2になっていた話。


これらは正真正銘の実話である。
それなのに、今までの人生でこの話を聞かせたバカどもは、誰も信じてはくれなかった。
でも、やっと俺のハイレベルな話を理解してくれる聡明な知識人に出会うことができた。」


掲載号は2013年2月号(12月16日発売)だそうだ。みんな、買うんだ!
俺が発見した、カレーで視力が回復するという真理が、
ついに日本中、いや、世界中に知れ渡る日が来るのだ。


ノーベル賞