須磨戦記スイム編


スイムを振り返る。
恐怖の300mだった。




選手たちはビーチをスタートし、入水、第1ブイに向かって泳ぐ。
第1ブイを折り返し、真っ直ぐ第2ブイに向かって泳ぐ。
第2ブイを回って、元の位置に帰ってくる。


私は謙虚に後ろの方からスタートした。



すると、第1折り返しでえらい目にあった。
前にも後ろにも人だらけ、前の人に蹴られるわ、後ろの人を蹴るわ。


「よし、前が空いた。」と思ってガッと前に出ると、
前を泳ぐ選手の背中に乗り上げたりした。


よく、池の鯉にエサをやってて、
腹ペコの鯉がたくさんいるとき、
水面が口を開けた鯉でうめつくされ、
他の鯉たちの上に半身が乗り上げているようななつがいる。


まるでそれだ、と思った。



第1コーナーの池の鯉状態を泳ぎぬけた私は、咄嗟に作戦を変えた。


ルフィ 「死ぬとこだ。あんな大勢にもまれながら、泳げるもんか。」


私は、第1コーナーを回ると大外に出て、
直線一気で集団を抜き去ることにした。
そして、この作戦は、困難を極めた。


レース前、大会スタッフが「本日はうねりが大きいです。」と話していた。
大外に出て直線をクロールで泳ぐと、そのうねりを実感することになった。


思うようなタイミングで息継ぎはできない。
息が上がって、心臓はバクバクしている。
もうあとちょっとなのに、ギブアップしようかという考えも頭をよぎった。



それでも、これは浜に上がって後ろを振り返ったとき初めて理解できたのだが、
この大外からの直線で、どうやら私は数十人の選手を抜いていた。


初心者の体感的には、スイムに15分ぐらいかかってしまったと思っていたのだが、
レース後の記録証を見たら、トランジションも合わせて9分8秒だった。


まじか!?
着替えはもうヘロヘロでゆっくりだったから、じゃあスイムは正味7分ぐらい、
プールで300泳ぐときと同じぐらいのタイムで泳げていたのだろうか…?


ともかく、こうして最初のスイムは、思っていた以上に難しく、困難を極めたのであった。


※   ※   ※


明日は後半、須磨戦記ラン編を書くと思う。